2010年04月01日

【軍歌】(陸軍)ユクタンシプヨンサ(肉弾十勇士)

 
【軍歌】(陸軍)ユクタンシプヨンサ(肉弾十勇士)

 本日も熱い曲が続きます。
 今回は陸軍から副士官(下士官)のテーマソングとして名高い『肉弾十勇士』をご紹介。

 ・・・どっかで聞いたことのあタイトルだなあと思った人は結構な軍歌マニアですね。
 皇軍の軍歌にある『爆弾三勇士』は敵のトーチカを爆破するために命を懸けた三人の工兵を称えた歌ですが、それと似たような話で、敵のトーチカを爆破するために命を懸けた10人の下士官を称えた歌がこの『肉弾十勇士』で、韓国軍に皇軍の影響が強く見られる例の一つです。


◎副士官(下士官)の象徴・ユクタンシプヨンサ(肉弾十勇士)について 
 6.25韓国動乱の直前に勃発した松岳山の戦い。1949年 5月3日、北朝鮮軍1師団3連隊を基幹とする約1千人のうち、兵力約400人が松岳山一帯の292高地を占領して、駐留韓国軍第1師団第11連隊第2大隊に向かって攻撃の準備態勢をとる。
 5月3日23時頃、292高地に向かった韓国軍斥候に対し、付近の山地に潜伏していた北朝鮮軍が一斉射撃を加えてきたことで、韓国軍第11連隊は5月4日6時、北朝鮮軍を攻撃。熾烈な戦いの末に292高地、155高地、ハト高地、UN高地をそれぞれ奪還して北朝鮮軍の不法な侵攻を阻止した。

 この戦闘の最中、北朝鮮軍に不法占領された松岳山の高地を奪回するため爆弾を抱えて敵陣地に飛び込んでこれを粉砕した10人の兵士たちを『肉弾十勇士』と呼ぶ。

 十勇士はソ・ブドク(徐富德・特攻隊隊長、第1分隊長)他、下士官候補生のキム・ジョンへ、ユン・スンウォン、イ・フイボク、バク・ピョンソ、ファン・グムジェ、ヤン・ヨンスン、ユン・オクチュン、オ・ジェリョン、バク・チャングンである。

 彼ら十勇士の冥福を祈り、その武功を後世にまで称えるため慰霊碑が建立された。基壇の上に5階建てのタワーを積んだような形状で、下から上に行けば行くほど幅が狭くている。石碑には『THE TEN BRAVE WARRIORS』という英文表記、その上に十人の階級と氏名が刻まれている。
 石碑の高さは6m、幅は上部0.5m、下部2.3m、床面積は89.8㎡である。

 この石碑は十勇士が所属する部隊の当時師団長だった金錫源将軍を中心に"十勇士慰霊碑建立委員会"が組織され、1955年3月中旬から米国防総省の支援で基礎工事に着工し、同年4月下旬竣工。5月4日の戦没日に除幕式が行われた。


『爆弾三勇士』は『軍国神話』の象徴として忘れ去られようとしているのに比べて、『肉弾十勇士』は副士官の模範として今も称えられているわけですが、『肉弾十勇士』の真実は果たして上の歴史にあるような美談だったのか、という疑問は沸くわけで。

 創設間もない韓国軍において高い軍事知識と経験を持った満州国軍・日本軍出身の朝鮮人が重用されており、彼らの上官だった金錫源(キム・ソグォン)は皇軍で陸軍大佐にまで昇進し、また朝鮮人として初の金鵄勲章受賞者という経歴の人。その後の朝鮮戦争でも活躍している。
(ちなみに余談ですが、金錫源は最近ドラマ化もされた『不毛地帯』の登場人物、李錫源の元ネタになっていると思われます)

 当然の事『爆弾三勇士』の存在も知っていただろうし、『軍神』という存在の有用性を理解していたであろうことは間違いない。彼らの死を祀り上げる事で、当時まだ士気も低く組織として脆弱な韓国軍を盛り上げようとした側面もあっただろうと推測できる。

 こうして韓国では朝鮮戦争やベトナム派兵を経て、様々な軍人神話が生み出されるわけで・・・この辺、皇軍と韓国軍の類似性があると思う次第。
 もっとも最初に前置きをしたように、全てが文字通りの美談ではなく、中には捏造された真実や隠蔽された真実もあるであろうし、見る人によっては真実の異なる出来事も多かったと思います。

 しかし、真実はともあれ彼らが死を賭して国のために散った事実は事実なわけで、『軍神』となった戦没者を『軍国主義の遺産』ということで過去に葬むることで済まそうとしている日本に比べ、今も軍を上げて慰霊を行っている韓国は日本よりも民族意識が強いなと感心します。

 前口上が長くなりましたが、お聞きください。なお、歌詞のほうは二番の後半が特に意訳も厳しいような翻訳しかできなかったので訳が微妙です。サーセン。

【軍歌】(陸軍)ユクタンシプヨンサ(肉弾十勇士)

육탄 십용사『肉弾十勇士』(ユクタンシプヨンサ)

1,
비둘기 고지에는 초목도 운다
적탄이 비 오던 날 아군의 용전
들었나 포연 속에 적군의 얼굴
서상사는 원합니다 특별 공격을
부대장을 울려주던 애원의 소리
장하다 우리용사 아~ 십용사

2,
유엔 고지에는 적구도 운다
토치카 파괴하던 십삼시 이십분
붉고 검은 얼굴위에 방긋 웃었소
내 한 젊음 장한다짐 최후의 부탁
지축을 흔드는 폭발의 소리
장하다 우리용사 아~ 십용사


1、
鳩高地に草木泣く
敵弾が雨と降る日の我が勇戦
砲煙の中 迫る敵軍の顔
徐曹長『お願いします特別攻撃を!』
部隊長を貫く哀願の声
見事だ我等の勇士 嗚呼、十勇士

2、
UN高地に赤狗も泣く
トーチカ破壊した13時20分
血と泥にまみれた顔がにっこり笑う
若者の立派な誓い 最後の要請
大地震わす爆発の音
見事だ我等の勇士 嗚呼、十勇士


1,
ピルギ コヂエヌン チョモド ウンダ
チョタンニ ピ オドンナル アグンエ ヨンジョン
トゥルオッナ ポヨン ソゲ チョグンネ オルグゥ
ソサンサヌン ウォンハムニダ トゥピョゴンギョグル
プデジャンウル ウリョヂュド エウォンネ ソリ
チャンハダ ウリヨンサ ア~ ア~ シプヨンサ 

2,
ユエヌン コヂエヌン チョグド ウンダ
トチカ パゲハドン シプサムシ イシプン
プゥゴ コムンン オグウィエ パングッ ウッソッソ
ケ ハン チョム チャンハンダジム チュエフエ プタ
チチュクル フンドゥヌン ポクパルエ ソリ
チャンハダ ウリヨンサ ア~ ア~ シプヨンサ 
 
 我が国も過去の記憶を風化させないように、もっともっと過去の歴史を見つめて欲しいと思う次第であります。
 そんなわけで^はないのですが、近日、某イベントで工兵の格好する予定です。廟行鎮にて散華する三勇士役になるとか・・・。

せっかくなので・・・。 


『爆弾三勇士』
一、
廟行鎮(びょうこうちん)の敵の陣
我の友隊(ゆうたい)すでに攻む
折から凍る如月(きさらぎ)の
二十二日の午前五時

二、
命令下る正面に
開け歩兵の突撃路
待ちかねたりと工兵の
誰か後(おくれ)をとるべきや

三、
中にも進む一組の
江下 北川 作江たち
凛たる心かねてより
思うことこそ一つなれ

四、
我等が上に戴(いただ)くは
天皇陛下の大御稜威(おおみいつ)
後に負うは国民の
意志に代われる重き任(にん)

五、
いざ此の時ぞ堂々と
父祖の歴史に鍛えたる
鉄より剛(かた)き「忠勇」の
日本男子を顕(あらわ)すは

六、
大地を蹴りて走り行く
顔に決死の微笑あり
他の戦友に遺(のこ)せるも
軽(かろ)く「さらば」と唯一語

七、
時なきままに点火して
抱(いだ)き合いたる破壊筒(はかいとう)
鉄条網に到り着き
我が身もろとも前に投ぐ

八、
轟然おこる爆音に
やがて開ける突撃路
今わが隊は荒海の
潮(うしお)の如く躍り入る

九、
ああ江南の梅ならで
裂けて散る身を花と成し
仁義の軍に捧げたる
国の精華の三勇士

十、
忠魂清き香を伝え
長く天下を励ましむ
壮烈無比の三勇士
光る名誉の三勇士




 




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Posted by 釘宮厨(정궁주) at 00:00│Comments(0)韓国軍歌
 
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